一次商圏・二次商圏・三次商圏の違い
一次商圏・二次商圏・三次商圏の違いは、来店客がどれだけ集中しているかです。一次商圏は売上の土台になる範囲で、来店頻度も高くなります。二次商圏は、一次商圏ほどではないものの継続的に客が来る範囲です。三次商圏は、たまに来る客や遠方からの客の範囲です。
分ける目的は、限られた予算をどこに使うかを決めるためです。たとえばチラシのポスティングは一次商圏に集中させ、二次商圏にはWeb広告で届ける、といった使い分けができます。
出店判断でも、一次商圏の数字が最も重視されます。来店頻度が高い客が住む範囲なので、ここの人口や客層がターゲットと合わなければ、二次商圏がどれだけ大きくても売上は安定しにくいからです。まず一次商圏で「土台が成り立つか」を確かめ、次に二次商圏で「どこまで上乗せできるか」を見る、という順番で考えます。
| 区分 | 来店客の特徴 | 出店判断での役割 |
|---|---|---|
| 一次商圏 | 来店客の大半。来店頻度が高い | 売上の土台。人口と客層が合うかを最優先で確認 |
| 二次商圏 | 一次商圏の外側。来店はあるが頻度は低め | 上乗せの売上。競合の有無で取れるかが変わる |
| 三次商圏 | たまに来る客、遠方・観光客など | 業種によっては無視できる。広域型の立地では重要 |
商圏の区分の決め方:来店客の割合か、距離・時間か
商圏の区分は、既存店があれば来店客の住所や会員データから決めます。来店客の多くが含まれる範囲を一次商圏とし、残りを二次・三次に分けます。割合の線引きは会社や業種によって異なります。
出店前は来店データがないため、距離や到達時間で仮に決めます。円で描く「半径商圏」と、徒歩や車で何分かかるかで描く「到達圏」があります。川や線路、幹線道路があると人の流れが切れるため、到達圏のほうが実態に近くなります。
| 業態のタイプ | 一次商圏の目安 | 二次商圏の目安 |
|---|---|---|
| 駅前・徒歩客中心(コンビニ、カフェなど) | 徒歩5分前後(約500m) | 徒歩10分前後(約1km) |
| 住宅地の生活型(スーパー、美容室など) | 徒歩10分・自転車5分前後 | 自転車10分・車5〜10分 |
| 郊外・車客中心(ロードサイド店など) | 車で5〜10分 | 車で10〜20分 |
業界で広く使われる目安です。競合の位置や道路事情によって変わります。
実例:同じ場所でも商圏の広さで人口は大きく変わる
商圏をどこまで取るかで、対象になる人口は桁ちがいに変わります。京都駅前(京都タワー周辺)の到達圏人口は、徒歩5分で2,429人、徒歩10分で10,532人、徒歩20分で55,021人です。自動車10分では140,826人になります。
一方で、この場所でクレジットカードなどで支払った人の居住地を見ると、京都府が20.7%、東京都が19.4%でした。地元客が3割に満たない「広域型」の立地です。こうした場所では、近隣の人口だけで一次商圏を考えると実態を見誤ります。住んでいる人と、実際にお金を使っている人の両方を確かめることが大切です。
逆に、住宅地の生活型の店では、徒歩10分圏と自転車10分圏の人口の差が、二次商圏でどこまで上乗せできるかの目安になります。
数値は商圏カルテの実測サンプル(京都駅前)。人口の出典:総務省「国勢調査」。
出店判断での使い方と注意点
一次商圏では、人口の多さよりも「客層が合っているか」を先に確認します。年代、世帯構成、昼間に働く人の数が、狙う客と合っているかを見ます。人口は商圏人口の考え方で整理できます。
二次商圏では、競合店の位置が重要です。自店より近くに同業の店があれば、その方向の客は取りにくくなります。範囲の設定方法は商圏の範囲の決め方でも詳しく解説しています。
開業後は、実際の来店客の住所から商圏を引き直します。会員カードやポイントアプリ、予約台帳の郵便番号を集計すると、想定より一次商圏が狭かった、ある方向だけ客が来ていない、といったずれが分かります。チラシの配布範囲や広告の配信地域は、この結果に合わせて見直すと無駄が減ります。
- 一次商圏の人口・世帯・年代構成がターゲットに合っているか
- 一次商圏と二次商圏の境目に、川・線路・幹線道路などの「壁」がないか
- 二次商圏に強い競合店がないか
- 来店客の居住地が地元中心か、広域から来ているか
一次商圏・二次商圏を一度に確かめる
商圏カルテなら、住所を入れるだけで、半径500m・1kmの人口と、徒歩・自転車・自動車の5・10・20・30分圏の人口をまとめて確認できます。決済者の居住都道府県も載るため、地元型か広域型かも分かります。
PDFは24時間以内にメールで届きます。はじめての1回は無料です。商圏カルテの詳細からお申し込みいただけます。

