通行量とは「店の前を通る人と車の数」
通行量とは、ある地点を一定時間に通る歩行者や自動車の数のことです。商圏人口が「範囲の中にいる人」を表すのに対し、通行量は「店の前を実際に通る人」を表します。
とくに、ついでに立ち寄る客が多い業種では、通行量が売上に直結します。コンビニ、カフェ、テイクアウト、ドラッグストアなどが代表例です。逆に、予約制の店や目的来店型の店では、通行量より商圏人口や客層のほうが重要になります。それでも、店の前を通る人が多いほど看板が目に入り、店の存在を知ってもらえるという効果はあります。
通行量は、歩行者と自動車を分けて考えます。駅前・商店街の店は歩行者、郊外のロードサイド店は自動車の通行量を重視します。車の場合は、通る台数に加えて、速度や車線数、駐車場への入りやすさも来店を左右します。
通行量の調べ方:3つの方法
通行量の調べ方は、大きく分けて現地でのカウント、人流データの利用、公的統計の利用の3つです。それぞれ得意・不得意があるため、組み合わせて使うのが理想です。現地カウントの具体的な手順は通行量調査のやり方で解説しています。
| 方法 | 分かること | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| 現地カウント | その日・その時間の歩行者と車の数、客層の見た目 | 確実で、店の前の実態が分かる | 手間がかかり、天候や曜日でぶれる |
| 人流データ | 通信会社などのビッグデータによる推計値。曜日・時間帯ごとの傾向 | 平日・休日、昼・夜を比べやすい | 推計値のため、細い路地などは誤差が出やすい |
| 公的統計 | 主要道路の自動車交通量 | 無料で広い範囲を比べられる | 歩行者や細い道路は対象外のことが多い |
自動車の交通量は、国土交通省「全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)」で主要道路の値を確認できます。
実例:同じ区画でも面によって20倍の差
通行量は、建物の「どの面が、どの道路に接しているか」で大きく変わります。京都駅前(京都タワー周辺)の同じ区画で、接している道路の面ごとに歩行者の通行量を比べた結果が下の表です。
南面は11.12人/分あるのに対し、西面は0.54人/分しかなく、約20.6倍の差がありました。同じ住所でも、入口をどちらに向けるかで、店の前を通る人の数がまったく違うということです。物件を選ぶときは、住所だけでなく入口と看板の向きまで確認しましょう。
時間帯による変化も見逃せません。同じ南面でも、平日は10.40人/分、休日は12.55人/分と、休日のほうが2割ほど多くなっていました。観光客や買い物客が多い場所では、休日に人通りが増える傾向があります。営業日や人員配置を考えるときの手がかりになります。
| 面 | 歩行者 | 備考 |
|---|---|---|
| 南面 | 11.12人/分 | 車 2.27台/分。平日10.40人/分、休日12.55人/分 |
| 北面 | 7.31人/分 | — |
| 東面 | 6.83人/分 | — |
| 西面 | 0.54人/分 | 南面との差は約20.6倍 |
人流は通信会社などのビッグデータによる推計値。
通行量を見るときのポイント
通行量は「多いか少ないか」だけでなく、「いつ、誰が、どちらへ向かって通るか」まで見ると判断の精度が上がります。3つの繁華街の最寄り道路で比べると、歩行者は京都駅前6.83人/分、大阪・梅田50.37人/分、神戸・三宮4.92人/分でした。夜間の通行比率は30.5%、36.7%、34.2%と、夜の人通りの割合にも差があります。
また、最寄り道路と周辺の最大の人の流れを比べることも大切です。三宮は周辺の最大動線が26.5人/分あるのに、最寄り道路は4.92人/分でした。人の流れから一本外れていることが分かります。人の流れの考え方は動線で、データの種類は人流データとはで解説しています。
- 平日と休日、昼と夜で数字がどう変わるか
- 歩く人の向き(駅へ向かう流れか、駅から出てくる流れか)
- 通る人の年代や目的(通勤、買い物、観光)
- 店の入口と看板が、人の多い面に向いているか
候補地の通行量を面ごとに確かめる
現地でのカウントは確実ですが、何か所も、何時間も数えるのは大変です。まず推計値で候補地の傾向をつかみ、本命だけ現地で確かめる進め方が効率的です。推計値と現地の数字が大きく違う場合は、工事や催事など一時的な要因がないかも確認しましょう。
商圏カルテのフル版は、住所を入れるだけで、前面道路の歩行者(人/分)と車(台/分)を道路の面ごとに、平日・休日×昼・夜の時間帯別にまとめます。はじめての1回は無料で、PDFは24時間以内にメールで届きます。商圏カルテをご覧ください。

