カフェの商圏調査は「徒歩圏」と「業態のタイプ」から始める
カフェの商圏は、ほとんどの場合徒歩圏です。半径500m前後、徒歩5〜10分程度が目安とされます。ただし、目的地になる専門店や郊外の大型店は、車や電車で来る二次商圏まで広がります。
最初に、自分のカフェがどのタイプかを決めます。テイクアウト中心なら「通り過ぎる人の数」、滞在型なら「近くで時間を過ごす人の数」、目的来店型なら「広い範囲の客層」が大切です。範囲の考え方は到達圏(徒歩圏・車圏)も参考にしてください。
到達圏の人口は、範囲で大きく変わります。京都タワー周辺の例では、徒歩5分圏2,429人、徒歩10分圏10,532人でした。テイクアウト型なら徒歩5分圏、住宅地の滞在型なら徒歩10分圏や自転車圏の人口を、お客様の母数として見ます。
| カフェのタイプ | 主な客層の例 | 重視する指標 | 商圏の目安(経験則) |
|---|---|---|---|
| テイクアウト・スタンド型 | 通勤・通学の人、就業者 | 前面道路の歩行者通行量、朝の人の流れ | 徒歩5分程度 |
| 駅前・オフィス街の滞在型 | 就業者、待ち合わせの人 | 昼間就業者数、平日昼の人の流れ | 徒歩5〜10分 |
| 住宅地の滞在型 | 近隣の住民、子育て世帯、シニア | 居住人口、年齢構成、休日の人の流れ | 徒歩10分・自転車10分程度 |
| 目的来店型(専門店) | 広い範囲のファン層 | 決済者の年代・年収、居住地 | 電車・車で20〜30分以上 |
目安は一般的な経験則です。席数・価格帯・駐車場の有無で変わります。
カフェの客層:女性比率・年代・年収を見る
カフェは他の飲食業態に比べて、女性の比率が高い傾向にあります。商圏カルテの京都タワー周辺の例では、カフェ・喫茶店の決済者は女性62%、平均47.4歳、平均年収521万円でした。同じ地点の寿司(男性66%・年収877万円)や居酒屋・バー(男性69%)とは客層がはっきり違います。
住民の構成も確認します。京都タワー周辺は女性比率54.8%、1人世帯73.3%、借家74.2%でした。1人世帯が多い街では、1人で過ごせる席や短時間の利用に合わせたつくりが向いていると考えられます。
ただし住民と実際の利用者は一致しません。カフェの決済者の年代・年収は、住民の年齢構成とは別に確認してください。決済データの読み方は決済データで分かる客層とお金の流れで解説しています。
地元客と来街者のどちらが中心かも確かめます。京都タワー周辺では、決済者の居住地が京都府20.7%、東京都19.4%で、地元が3割未満の広域型でした。観光や出張の人が多い立地では、初めての人にも分かりやすい看板やメニュー表示が効果的です。
反対に、地元客が中心の住宅地では、常連客の来店頻度が売上を支えます。この場合は、徒歩・自転車圏に住む人の年齢構成と世帯構成を重視して、席の構成やメニューを考えます。
カフェで見る時間帯:朝・昼・午後・休日
カフェは時間帯ごとに客層が入れ替わる業態です。朝は通勤客、昼は就業者のランチ後、午後は住民や買い物客、休日は来街者が中心になりやすいです。
商圏カルテの「時間帯」ページでは、平日・休日 × 昼・夜の人の流れを比べられます。京都タワー周辺の南面は、歩行者が平日10.40人/分、休日12.55人/分でした。休日に人が増える立地なら、土日の営業を厚くする判断材料になります。
反対に、オフィス街で平日昼だけ人が多い立地では、休日の売上が落ちやすくなります。定休日と営業時間は、この数字を見てから決めるのがおすすめです。
時間帯ごとの客層の入れ替わりは、席数とメニューの設計にも関わります。朝の通勤客が多いならテイクアウトの導線を短く、午後の住民が多いなら長居しやすい席を多めに、といった具合です。時間帯の重心を数字で確かめてから、内装やメニューを決めると無駄が減ります。
カフェの立地チェック項目と目安
カフェの立地は、通行量・客層・時間帯・視認性の4つを組み合わせて判断します。下の表の目安は経験則で、絶対的な基準ではありません。
お金の使われ方も確認します。飲食に回ったお金は、京都駅前5.9%、大阪・梅田4.12%、神戸・三宮16.34%で、全国平均は14.0%でした。同じ来街者型でも、飲食にお金が向かいやすい街とそうでない街があります。
| チェック項目 | 商圏カルテで見るページ | 目安(経験則) |
|---|---|---|
| 前面道路の歩行者 | 前面道路の通行量 | 道路の面ごとに比べ、多い面に入口を向ける |
| 曜日と時間帯の人の流れ | 時間帯 | 主力にしたい時間帯に人が多いこと |
| カフェの客層 | 飲食の業態別の客層 | コンセプトの想定客(性別・年代)と合うこと |
| 客単価の妥当性 | 誰がいくら使っているか | 決済者の年収とメニュー価格がかけ離れないこと |
| 住民の世帯構成 | 住んでいる人 | 1人世帯が多いか、子育て世帯が多いかで席の構成を変える |
| 業態の相性 | 業態の向き不向き判定 | 飲食の判定が△や×なら、理由を「この立地の読み方」で確認 |
目安は一般的な経験則です。最終的には現地確認チェックリストで、実際の視認性や入りやすさを確かめてください。
カフェの立地選びでよくある失敗パターン
カフェの失敗は「雰囲気の良さ」で場所を決め、数字を見ていないときに起こりがちです。よくあるパターンは次のとおりです。
失敗を避けるには、候補地ごとに同じ項目を並べて比べることが近道です。気に入った物件ほど、数字で冷静に確かめてください。
- 静かな路地裏を選んだが、前面道路の歩行者がほとんどいなかった。同じ区画でも、面によって通行量が約20倍違う例があります。
- オフィス街に滞在型の大型店を出し、休日の集客に苦しむ。
- 住民の年代だけを見て、実際にカフェを使う人の年代・年収を確かめていない。
- テイクアウト型なのに、人の流れが店の前を通らない位置を選んだ。
- 近くのチェーン店や喫茶店の数を数えず、価格帯がぶつかってしまう。競合の見方は競合調査のやり方を参考にしてください。
カフェの候補地を商圏カルテで確かめる
商圏カルテは、住所を入れるだけで、カフェの決済者の性別・年代・年収、前面道路の通行量、平日・休日の時間帯別の人の流れまでをPDFにまとめ、24時間以内にメールでお届けします。
はじめての1回は無料でフル版をお試しいただけます(1社1回まで・自動課金なし)。物件の内見前に、コンセプトと街の客層が合っているかを確かめる材料としてご活用ください。詳しくは商圏カルテのページをご覧ください。

