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商圏調査とは?

商圏調査とは、出店候補地の周りに誰が住み、働き、通り、何にいくら使っているかを調べ、出店判断の根拠をつくる調査です。目的、調べる6項目、使うデータ、手順、費用、よくある失敗までを京都駅前などの実例の数字つきで解説します。

結論

商圏調査とは、出店候補地の周りに「どんな人が、どれだけ住み・働き・通り、何にいくら使っているか」を調べ、出店判断の根拠をつくる調査です。主な項目は商圏人口、昼間人口、到達圏、通行量、客層、競合の6つです。国勢調査などの公的統計と現地観察を組み合わせ、「この場所で想定する客数が見込めるか」を数字で確かめます。

執筆・監修:株式会社ターコイズ 商圏カルテ編集部|最終更新:2026.10.15

商圏調査とは:出店判断のための「場所の健康診断」

商圏調査とは、お店に来てくれる可能性のある人が住む・働く範囲(商圏)を決め、その中の人口や人の動きを数字で把握する調査です。立地調査、商圏分析とほぼ同じ意味で使われます。

目的は、「なんとなく良さそう」を「この数字なら成り立つ」に置き換えることです。家賃や内装費は一度決めると簡単には変えられません。だからこそ、契約前に場所の実力を確かめる必要があります。

商圏調査で分かることは、大きく3つです。1つ目は人の量(居住人口・就業者・通行量)。2つ目は人の質(年代・世帯・年収・客層)。3つ目は人の流れ(どの道を、どの時間帯に、どこから来るか)です。この3つがそろって、はじめて売上の見込みを立てられます。

商圏調査は、大手チェーンだけのものではありません。個人で1店舗目を開く場合こそ、失敗の影響が大きくなります。最初の出店で立地を外すと、内装費や保証金を回収する前に撤退することになりかねません。小さな店ほど、契約前の確認に時間をかける価値があります。

商圏調査の目的は4つある

商圏調査の目的は、出店するかどうかを決めることだけではありません。使う場面ごとに、見るべき数字が変わります。

たとえば候補地の比較では、範囲をそろえることが何より大切です。A地点は半径500m、B地点は半径1kmで数えると、人口の差は場所の差ではなく範囲の差になります。比べるときは、同じ半径・同じ到達時間・同じ時間帯の数字を並べてください。

商圏調査の目的と、特に見る数字
目的使う場面特に見る数字
出店判断候補地を契約するかどうか決める商圏人口、通行量、競合の数
候補地の比較2〜3か所から1つに絞る同じ指標を同じ範囲で並べた比較表
業態・メニューの調整客層に合わせて価格や品ぞろえを決める年代構成、年収、客単価の目安
資金調達の根拠創業計画書や事業計画に立地の根拠を書く出典つきの人口・通行量・客層データ

資金調達の可否は金融機関の判断によります。計画書の書き方は専門家や窓口に相談してください。

商圏調査で調べる6つの項目

商圏調査で調べる項目は、商圏人口・昼間人口・到達圏・通行量・客層・競合の6つが基本です。どれか1つだけでは判断を誤ります。

  • 商圏人口(居住人口):半径500m・1kmなどの範囲に住む人の数。住宅地型の店では最重要です。
  • 昼間人口・就業者数:日中にその場所で働く人の数。オフィス街では居住人口より大切です。
  • 到達圏:徒歩・自転車・車で5分、10分などで来られる範囲の人口。実際の来店しやすさに近い指標です。
  • 通行量:店の前を通る歩行者・車の数。道路の面ごと、時間帯ごとに大きく変わります。
  • 客層:年代、男女比、世帯構成、年収。何を売るかを決める材料です。
  • 競合:同じ業態の店の数と位置。需要の大きさと奪い合いの両方を示します。

商圏調査に使うデータは3種類

商圏調査のデータは、公的統計・人流データ・決済データの3種類に分けられます。それぞれ得意なことが違うため、組み合わせて使うのが基本です。

公的統計は信頼性が高い一方、調査時点から時間がたっていることがあります。人流データや決済データは新しい動きをつかめますが、推計値であることを理解して使う必要があります。人の流れの数字の読み方は人流データとはでくわしく説明しています。

商圏調査で使う主なデータ
データ分かること主な入手先注意点
公的統計居住人口、世帯、年齢構成、事業所数、従業者数総務省「国勢調査」「経済センサス」(e-Stat)5年ごとなど調査周期があり、最新の変化は反映されにくい
人流データ通行量、時間帯別の人の動き、平日と休日の差通信会社などのビッグデータによる推計値推計値のため、現地での目視確認と合わせて使う
決済データ何にいくら使われたか、決済者の年代・年収・居住地クレジットカードなどの決済データ現金払いは含まれないため、傾向として読む
現地観察視認性、入りやすさ、駐車場、周辺の店の雰囲気自分の足で確認時間帯や曜日を変えて複数回見る

出典:総務省「国勢調査」「経済センサス」、政府統計の総合窓口 e-Stat。

実例:京都駅前の半径500mを数字で見る

数字で見ると、同じ「駅前」でも中身がまったく違うことが分かります。商圏カルテで調べた3地点の比較です。

京都タワー周辺は、半径500mの居住人口が4,641人に対し、昼間就業者数は27,925人です。昼間は住む人の約6倍の人が働いています。このように「住む人より働く・訪れる人が多い場所」では、住民の人数だけで判断すると見誤ります。

大阪・梅田は昼夜間人口比が30.72倍で、最寄り道路の歩行者も50.37人/分と突出しています。一方、神戸・三宮は居住人口が8,539人と3地点で最も多く、飲食に回ったお金も16.34%と全国平均の14.0%を上回りました。梅田は「人の量」、三宮は「飲食への支出の厚さ」が特徴です。どちらが良いかは業態によって変わります。数字は優劣ではなく、場所の性格を読むために使います。

半径500mの比較(商圏カルテ実測サンプル)
項目京都駅前(京都タワー周辺)大阪・梅田神戸・三宮
居住人口4,641人3,318人8,539人
昼間就業者数27,925人101,938人58,142人
昼夜間人口比6.02倍30.72倍6.81倍
最寄り道路の歩行者6.83人/分50.37人/分4.92人/分
夜間の通行比率30.5%36.7%34.2%
飲食に回ったお金5.9%4.12%16.34%

出典:商圏カルテ(人口・就業者は総務省「国勢調査」「経済センサス」、通行量は通信会社などのビッグデータによる推計値、支出はクレジットカードなどの決済データ)。飲食に回ったお金の全国平均は14.0%。

商圏調査のやり方:5つの手順

商圏調査は「範囲を決める→統計で量を見る→人の流れを見る→客層と競合を見る→現地で確かめる」の順に進めます。くわしい手順は商圏分析のやり方で解説しています。

  1. 商圏の範囲を決める:徒歩型の店なら半径500m〜1km程度、車で来る店なら車10〜20分圏が目安です。決め方は商圏の範囲の決め方を参照してください。
  2. 統計で人口と就業者を見る:総務省「国勢調査」「経済センサス」を e-Stat で確認します。
  3. 通行量と人流を見る:店の前の道を、平日と休日、昼と夜で比べます。
  4. 客層と競合を見る:年代・年収と、同業の店の数を確認します。
  5. 現地で確かめる:視認性、入りやすさ、駐車場、動線を自分の目で確認します。

商圏調査の費用と、よくある失敗

商圏調査の費用は、自分で統計を集めれば無料、専門家に依頼すれば内容に応じて大きく変わります。人を使った通行量調査や詳細なレポートでは、数万円から数十万円以上になることも一般的と言われます(目安)。費用の考え方は商圏調査の費用相場にまとめています。

よくある失敗は次の3つです。1つ目は、居住人口だけを見て昼間の人の動きを見落とすこと。2つ目は、同じ区画でも道路の面によって通行量が大きく違うことを見ないこと。京都タワー周辺では、南面の歩行者が11.12人/分、西面は0.54人/分で、約20.6倍の差がありました。3つ目は、平日の昼だけ見て休日や夜を確かめないことです。

もう1つ見落としやすいのが、「人が多い=自分の客が多い」とは限らない点です。京都駅前では、住民のうち70代以上が17.3%いる一方で、飲食の決済者に占める70代以上は6.6%でした。住んでいる人と、お金を使っている人は別の集団です。商圏調査では、住民の構成と、実際に使っている人の構成を分けて見ることが大切です。

失敗を防ぐコツは、判断基準を先に決めておくことです。たとえば「徒歩10分圏の人口が○人以上」「前面道路の歩行者が○人/分以上」のように、自分の業態で必要な条件を数字で書き出してから調べます。基準があれば、調べた結果を見て迷う時間が減ります。基準の数字は、既存店の実績や同業の経験者の話をもとに、控えめに置くのが安全です。

住所を入れるだけで商圏調査ができる「商圏カルテ」

ここまでの項目を自分で集めると、統計の検索と集計だけで数日かかることもあります。商圏カルテは、調べたい住所を入れるだけで、商圏人口・到達圏・前面道路の通行量・決済データによる客層までを1冊のPDFにまとめ、24時間以内にメールでお届けします。

はじめての1回は無料(フル版14ページ・1社1回まで・自動課金なし)です。候補地の判断材料の1つとして、まずは気になる住所で試してみてください。なお、商圏カルテは客観的な参考資料であり、売上や来店を保証するものではありません。

この記事の調査を、住所を入れるだけで。

「商圏カルテ」は、調べたい住所を入れるだけで、その場所の商圏をまとめたPDFが24時間以内に届く商圏調査レポートです。現地調査も図面もいりません。

  • 半径500m・1kmの居住人口と昼間就業者数、昼夜間人口比
  • 徒歩・自転車・車の到達圏人口、前面道路の歩行者と車の通行量
  • 決済データで見る客層(年代・年収)と、お金の使われ方
  • 業態の向き不向き判定と、現地確認チェックリスト(全14ページ)

はじめての1回は無料です(フル版・1社1回)。2回目以降は1件3,980円(税込)。

商圏カルテのサンプル(京都タワー周辺)1ページ目
FAQよくある質問。

よくある質問。

出店候補地の周りに住む人、働く人、通る人の数と特徴を調べ、出店判断の根拠をつくる調査です。商圏人口、昼間人口、通行量、客層、競合などを確認します。

ほぼ同じ意味で使われます。あえて分けるなら、商圏調査は周辺の人口や客層など広い範囲を、立地調査は前面道路や視認性など物件そのものの条件を重視します。実務では両方を合わせて行います。

できます。総務省「国勢調査」「経済センサス」は e-Stat で無料で確認でき、通行量は現地で数えられます。ただし集計や比較に時間がかかるため、レポート型のサービスを併用する方法もあります。

物件の契約前に行うのが基本です。候補地が複数あるときは、同じ指標・同じ範囲で比べると判断しやすくなります。