商圏人口とは「商圏の中にいる人の数」
商圏人口とは、店の商圏の中に住んでいる人の数のことです。一般には国勢調査の「常住人口(ふだん住んでいる場所での人口)」を使い、居住人口や夜間人口とも呼ばれます。
ただし、お店の客は住んでいる人だけではありません。オフィス街では、昼間に働きに来る人が主な客になります。そのため商圏分析では、居住人口と、昼間に範囲内で働く就業者数(昼間人口)を分けて確認します。2つの比が昼夜間人口比です。
人数と合わせて、世帯数と世帯の中身も確認します。同じ1万人でも、1人暮らしが多い街とファミリーが多い街では、売れるものも来店の時間帯も変わるからです。商圏人口は「何人いるか」と「どんな人がいるか」をセットで見るのが基本です。
商圏人口の計算方法:半径か、到達圏か
商圏人口は、商圏の範囲を決めて、その中の人口を足し合わせて計算します。範囲の取り方は主に2つです。
半径で取る方法は、比較がしやすいのが長所です。候補地が複数あるときは、同じ半径500mで並べると違いがすぐ分かります。到達圏で取る方法は、道路や川の影響を反映でき、実際の来店範囲に近くなります。
集計の元になるのは、国勢調査の町丁・字ごとの小地域データや、地図を細かいマス目に区切った地域メッシュ統計です。範囲の境界にかかる区域は、面積の割合で人口を按分するのが一般的です。どちらも政府統計の総合窓口e-Statで入手できます。
| 方法 | 長所 | 短所 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| 半径(円) | 計算が簡単で、候補地同士を比べやすい | 川・線路・道路の影響を無視してしまう | 複数候補地の一次比較 |
| 到達圏(徒歩・車で何分) | 実際の移動に近い | 移動速度の仮定で結果が変わる | 本命候補地の詳しい検討 |
| 行政区(町丁・市区町村) | 統計が手に入りやすい | 店の位置と境界が合わない | 大まかな地域の把握 |
実例で見る商圏人口の違い
同じ半径500mでも、場所によって商圏人口の中身は大きく違います。下の表は、商圏カルテで測った3つの繁華街の数字です。
神戸・三宮は居住人口が8,539人と3か所で最も多く、住む人も一定数いる街です。大阪・梅田は居住人口が3,318人と少ない一方、昼間就業者数は101,938人にのぼります。居住人口だけで判断すると、梅田の商圏を大きく見誤ることになります。
範囲を広げると数字はさらに変わります。京都駅前(京都タワー周辺)では、半径500mの居住人口4,641人に対し、半径3kmでは267,009人、自動車で20分の到達圏では649,480人です。どの範囲の人口を使うかで、結論が変わることを覚えておきましょう。
| 項目 | 京都駅前(京都タワー周辺) | 大阪・梅田 | 神戸・三宮 |
|---|---|---|---|
| 居住人口 | 4,641人 | 3,318人 | 8,539人 |
| 昼間就業者数 | 27,925人 | 101,938人 | 58,142人 |
| 昼夜間人口比 | 6.02倍 | 30.72倍 | 6.81倍 |
出典:総務省「国勢調査」「経済センサス」をもとに商圏カルテで集計。
商圏人口から見込み客数を考える
商圏人口は、そのままでは売上になりません。ターゲットに当たる人の割合と、実際に来店する割合を掛けて、見込み客数に落とし込みます。
住む人が少ない繁華街では、居住人口ではなく昼間就業者数や通行量を起点にします。たとえば梅田のように昼夜間人口比が30倍を超える場所では、住民を起点にした見込み客数はほとんど意味を持ちません。商圏のタイプによって、どの人口を起点にするかを変えるのがコツです。
たとえば、若い単身者向けの店なら20〜30代の割合を、ファミリー向けなら子どものいる世帯の割合を確認します。来店する割合は業種ごとの経験や既存店の実績から置きます。考え方の詳細は商圏から売上を予測する方法、調べ方は商圏人口の調べ方で解説しています。
- ターゲットの割合は、国勢調査の年齢構成・世帯構成から読む
- 来店する割合は、競合店の数が多いほど低く見積もる
- 見込み客数 = 商圏人口 × ターゲットの割合 × 来店する割合
- 売上の目安 = 見込み客数 × 来店頻度 × 客単価
商圏人口をまとめて確認する
商圏人口は、国勢調査の小地域データをe-Statから取り出して集計すれば自分でも求められます。ただ、範囲の設定や集計には手間がかかります。
商圏カルテは、住所を入れるだけで、半径500m・1kmの居住人口と昼間就業者数、徒歩・自転車・自動車の到達圏人口、年齢構成や世帯構成をPDFにまとめ、24時間以内にお届けします。はじめての1回は無料です。商圏カルテからお試しください。

