商圏調査の費用相場は、方法によって0円から数十万円以上まで
商圏調査の費用相場は、誰が・どこまで調べるかで大きく変わります。同じ「商圏調査」という言葉でも、統計を数表にまとめるだけのものと、調査員が何日も現地で数えるものでは、かかる手間がまったく違うからです。
下の表は、主な4つの方法と費用の目安です。金額は依頼先や内容によって幅があるため、具体的な料金は必ず見積もりで確認してください。
| 方法 | 費用の目安 | かかる時間 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 自分で公的統計を調べる | 0円(自分の時間) | 候補地1か所で数日 | まず大まかに当たりをつけたい |
| レポート型サービスを使う | 1件数千円程度から | 数時間〜1日程度 | 複数の候補地を同じ物差しで比べたい |
| 通行量調査を人に依頼する | 人数×時間×日数で決まる | 準備を含め数日〜数週間 | 前面道路の人数を正確に数えたい |
| 調査会社・コンサルに一式依頼 | 数万円〜数十万円以上 | 数週間〜 | 大型投資や多店舗展開の判断 |
費用はいずれも一般的な目安です。実際の料金は依頼先・地域・調査内容で異なります。
自分で調べる場合:お金はかからないが時間がかかる
自分で商圏調査を行う場合、データの入手にお金はほとんどかかりません。総務省「国勢調査」「経済センサス」は、政府統計の総合窓口 e-Stat で無料で確認できます。通行量も、自分で現地に立って数えれば費用はかかりません。
その代わり、時間がかかります。統計の画面から必要な地域の表を探し、町丁目ごとの数字を足し合わせ、半径や到達圏の範囲に合わせて集計する作業は、慣れていないと候補地1か所で数日かかることもあります。通行量を数えるなら、平日と休日、昼と夜に現地へ行く必要があります。
開業準備の時期は、物件探し、資金調達、内装の打ち合わせなど、やることが重なります。自分の時間をどこに使うかも、費用の一部として考えておきましょう。無料でできる方法は商圏調査を無料で行う方法でくわしく紹介しています。
人や会社に依頼する場合の料金の決まり方
商圏調査を外部に依頼する場合、料金は主に「人が動く時間」と「報告書の作り込み」で決まります。特に現地での通行量調査は、調査員の人数・時間・日数に比例して費用が増えます。
たとえば通行量を朝・昼・夕・夜の4つの時間帯で、平日と休日の2日、道路の2つの面で数えると、それだけで延べの調査時間はかなりの量になります。見積もりを比べるときは、総額だけでなく、何を・何時間・何人で数えるのかを確認してください。
調査会社やコンサルタントに一式で依頼する場合は、データの集計に加えて、考察や出店の可否についての意見、事業計画への落とし込みまで含まれることがあります。料金が高くなる分、相談しながら進められるのが利点です。どこまでを外部に任せ、どこからを自分で判断するかを決めておくと、見積もりの比較がしやすくなります。通行量を自分で数える方法は通行量調査のやり方で紹介しています。
| 要素 | 費用が上がる条件 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 調べる項目の数 | 人口・通行量・競合・客層をすべて調べる | 本当に必要な項目に絞れるか |
| 現地調査の有無 | 調査員が現地で通行量を数える | 人数・時間帯・日数・測る地点の数 |
| 範囲の広さ | 車の到達圏など広い範囲を扱う | 半径・到達時間の設定 |
| 候補地の数 | 複数の候補地を比較する | 1か所あたりの単価と割引の有無 |
| 報告書の作り込み | 考察や提案、説明会まで含む | 納品物の形式とページ数 |
| 納期 | 急ぎの対応 | 通常納期と特急料金の有無 |
費用をかける価値があるかの考え方
商圏調査に費用をかける価値があるかは、出店にかかる総額と、立地を外したときの損失で考えます。調査費は、内装工事費や保証金、開業後の家賃に比べれば小さな金額になることがほとんどです。
店舗の契約は、一度結ぶと簡単には解約できません。立地が合わずに早期撤退すると、内装にかけた費用の多くは回収できず、原状回復の費用もかかります。こうした損失の可能性と比べて、調査費が見合うかを判断してください。もちろん、調査をしても失敗の可能性はゼロにはなりません。調査の役割は、判断の根拠を増やし、明らかに合わない候補地を早めに外すことです。
一方で、すべての出店に高額な調査が必要なわけではありません。小さな店や、すでに地域をよく知っている場合は、まず低コストの方法で大まかに確かめ、気になる点だけを深く調べるのが合理的です。段階ごとに使う方法を変えると、全体の費用を抑えながら精度を上げられます。目安は次のとおりです。
- 候補地がまだ多い段階:無料の統計やレポート型サービスで、同じ指標を並べて絞り込む
- 2〜3か所に絞れた段階:前面道路の通行量や時間帯を、現地とデータの両方で確かめる
- 大きな投資を決める段階:必要に応じて専門家への依頼も検討する
安さだけで選ぶと見落としやすい3つの点
費用を抑えること自体は正しい判断ですが、安い調査では「範囲」「道路の面」「時間帯」が粗くなりがちです。この3つが粗いと、同じ場所でも結論が逆になることがあります。
1つ目は範囲です。市区町村単位の人口しか見ないと、駅の北と南で性格がまったく違う場所を同じものとして扱ってしまいます。半径500m・1km程度の細かさで見るのが基本です。
2つ目は道路の面です。京都タワー周辺では、同じ区画でも南面の歩行者が11.12人/分、西面が0.54人/分で、約20.6倍の差がありました。地域全体の平均ではなく、物件の入口がある面の数字を確認してください。
3つ目は時間帯です。京都タワー周辺の南面では、平日10.40人/分に対し休日は12.55人/分でした。夜間の通行比率も、京都駅前30.5%、梅田36.7%、三宮34.2%と場所によって違います。営業時間に合った数字を見ないと、見込み客数がずれます。
出典:商圏カルテ実測サンプル(通行量は通信会社などのビッグデータによる推計値)。
見積もりを取る前に確認したい5つのこと
商圏調査を依頼する前に、何のために調べるのかを決めておくと、不要な費用を払わずに済みます。目的があいまいなまま依頼すると、項目が増えて費用だけがかさみがちです。
特に、創業計画書や事業計画の根拠に使う場合は、数字の出典が明記されているかが重要です。読み手は「その数字はどこから来たのか」を必ず確認します。計画書での使い方は創業計画書の立地・売上根拠の書き方で解説しています。
- 調査の目的は何か(出店判断、候補地の比較、計画書の根拠づくりなど)
- 必要な項目はどれか(人口、就業者、通行量、客層、競合など)
- 数字の出典は何か(公的統計か、推計値か、現地での計測か)
- 納品物の形式と、納期はどのくらいか
- 追加の候補地を調べるときの料金はいくらか
レポート型サービスの料金例:商圏カルテの場合
レポート型サービスは、公的統計や人流データ、決済データをあらかじめ集計し、住所を入れると決まった形式のレポートを出す仕組みです。調査員が動かない分、1件あたりの料金を抑えられます。形式が決まっているため、複数の候補地を同じ項目・同じ範囲で比べやすいのも利点です。反対に、物件ごとの細かな事情や、入口の見え方などはレポートだけでは分からないため、現地確認と組み合わせて使います。
料金の例として、商圏カルテの価格を紹介します。いずれも税込・都度買い切りで、月額料金はかかりません。
| プラン | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| ライト版 | 980円 | 4ページ:商圏人口、到達圏、人口構成、商圏タイプ判定 |
| フル版 | 3,980円 | 14ページ:通行量、時間帯、決済データによる客層、業態判定など |
| サブスク(月額) | 39,800円/月(11月30日までのお申し込み) | フル版が月100件まで使い放題(100件使えば1件あたり398円・登録したメールアドレスから申し込み) |
| はじめての1回 | 無料 | フル版・1社1回まで・自動課金なし |
レポート型サービスは現地を調査員が数えるものではありません。視認性や入りやすさは、レポートの現地確認チェックリストを使ってご自身で確かめてください。
まずは無料の1回で、必要な調査の範囲を見極める
どこまで費用をかけるべきか迷ったら、まず手軽な方法で候補地の性格をつかみ、足りない部分だけを追加で調べるのが効率的です。商圏カルテは住所を入れるだけで、商圏人口から通行量、客層までを14ページのPDFにまとめ、24時間以内にメールでお届けします。
はじめての1回は無料です。結果を見たうえで、現地での通行量調査や専門家への相談が必要かを判断できます。調査全体の進め方は商圏分析のやり方も参考にしてください。なお、商圏カルテは客観的な参考資料であり、売上や来店を保証するものではありません。

