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クリニック開業の商圏調査

クリニック開業の立地選びで見るべき商圏のポイントを解説。一般に行われる診療圏調査と商圏レポートの違い、年齢構成・昼間人口・通行量などの補足指標、チェック項目の表、よくある失敗パターンとFAQをまとめました。

結論

クリニック開業の商圏調査とは、候補地の周りにどんな年代の人が住み、働き、どのように移動しているかを確かめる調査です。クリニックの開業では、地域の人口と受療の傾向から患者数を見積もる「診療圏調査」が一般に行われます。商圏レポートは、それを補う資料として、年齢構成・昼間人口・前面道路の通行量・時間帯の人の流れを確認するのに役立ちます。

執筆・監修:株式会社ターコイズ 商圏カルテ編集部|最終更新:2026.10.15

クリニック開業の商圏調査と診療圏調査の違い

クリニックの開業では、診療圏調査が一般に行われます。診療圏調査は、候補地の周りの人口と、診療科ごとの受療の傾向をもとに、来院が見込まれる患者数を見積もるものです。開業支援の専門家や金融機関の相談の場で使われることが多い資料です。

商圏調査は、それとは別の角度から立地を確かめます。昼に働く人がどれだけいるか、前面道路をどれだけの人が歩くか、平日・休日でどう変わるかといった「人の流れ」は、人口だけでは分からないためです。両方をあわせて見ることで、候補地の姿が立体的になります。

本記事は立地の見方を整理したもので、医療や開業手続きについての判断を示すものではありません。診療圏調査の方法や開業計画は、医師会・開業支援の専門家・金融機関などにご相談ください。

診療圏調査と商圏レポートの役割の違い
項目診療圏調査(一般的な内容)商圏レポート(補う内容)
主な目的来院が見込まれる患者数の見積もり住民・就業者・人の流れの把握
主な材料地域の人口、受療に関する統計、競合医療機関国勢調査・経済センサス、人流の推計値、決済データ
分かること診療科ごとの需要の目安昼夜の人口、通行量、時間帯、年齢構成
主な使い方開業の可否や規模の検討候補地の比較、診療時間や看板位置の検討

診療圏調査の具体的な方法は、依頼先や診療科によって異なります。詳しくは専門家にご確認ください。

クリニックで見る客層:年齢構成と昼間人口

クリニックの立地では、診療科がおもに対象とする年代が、商圏にどれだけいるかを確かめます。商圏カルテの「住んでいる人」ページでは、年齢構成・男女比・世帯構成を確認できます。

住民だけでなく、昼に働く人も見ます。半径500m・1kmの昼間就業者数と昼夜間人口比を見ると、住民中心の街か、働く人中心の街かが分かります。京都駅前(京都タワー周辺)は、居住人口4,641人に対し昼間就業者数27,925人で、昼夜間人口比は6.02倍でした。

住民と働く人では、来院しやすい時間帯が違います。住民中心の街なら平日の日中、働く人中心の街なら昼休みや夕方以降、という仮説を立て、診療時間の検討材料にできます。

世帯構成も参考になります。京都タワー周辺は1人世帯73.3%、借家74.2%でした。単身の賃貸住まいが多い地域と、持ち家の家族世帯が多い地域では、住民の年代や定着の度合いが違うと考えられます。

商圏カルテでクリニックが見るべきページ

商圏カルテは、診療圏調査の代わりではなく、それを補う材料として使います。特に次のページが、候補地の比較に役立ちます。

到達圏の人口は、通院手段で大きく変わります。京都タワー周辺では、徒歩10分圏10,532人、自転車10分圏139,030人、自動車10分圏140,826人でした。徒歩で通う方が多いか、車で来る方が多い地域かによって、見るべき範囲が変わります。

クリニック開業の検討で見る商圏カルテのページ
ページ見る指標検討での使い方
住んでいる人年齢構成・男女比・世帯構成・住居診療科の対象年代がどれだけ住んでいるか
商圏の形半径500m・1kmの居住人口と昼間就業者数住民型か就業者型かを読む
到達圏徒歩・自転車・自動車の5・10・20・30分圏の人口通院しやすい範囲の人口を比べる
前面道路の通行量歩行者 人/分・車 台/分(道路の面ごと)看板や入口をどの面に向けるか
時間帯平日・休日 × 昼・夜診療時間・休診日の検討材料にする
業態の向き不向き判定医療の判定(◎○△×)と理由立地の特徴を把握する参考にする

京都駅前の業態判定では、医療は×でした。住民が少なく、来街者が中心の広域型であることが背景にあると読めます。判定は立地の特徴を示す参考情報で、開業の可否を示すものではありません。

クリニックの立地チェック項目と目安

クリニックの立地は、通院のしやすさ・見つけやすさ・地域の人口構成で確かめます。表の目安は一般的な経験則で、医療的な判断の基準ではありません。

数字の確認が済んだら、実際に候補地を歩いて確かめます。最寄り駅やバス停からの道のり、雨の日の歩きやすさ、建物の入口の分かりやすさなどは、患者さんの通いやすさに直結します。地図上の距離と、実際の歩きやすさは別物と考えてください。

クリニック開業の立地チェック項目
チェック項目確かめ方目安(経験則)
対象年代の人口年齢構成と到達圏人口を見る診療科の対象年代が通院圏に住んでいること
通院のしやすさ徒歩・自転車・自動車の到達圏を見る住宅地なら徒歩・自転車10〜15分圏、郊外なら車10〜15分圏を目安に
見つけやすさ道路の面ごとの通行量と現地の視認性通行の多い面から看板が見えること
駐車場・バリアフリー現地で台数・段差・エレベーターを確認高齢の方や子ども連れが来やすいこと
周辺の医療機関近隣の同じ診療科の数を確認診療圏調査の結果とあわせて判断する
時間帯の人の流れ平日・休日 × 昼・夜を比べる想定する診療時間に人がいること

目安は一般的な経験則です。開業の判断は、診療圏調査の結果と専門家の助言をあわせて行ってください。

クリニックの立地選びでよくある失敗パターン

立地での失敗は、人口の数字だけを見て、人の流れや通いやすさを見落としたときに起こりやすいです。代表的なパターンを挙げます。

これらは、人口の数字だけでは見えにくい点です。商圏レポートの人の流れ・到達圏と、現地での確認を組み合わせ、診療圏調査の結果とあわせて候補地を比べてください。

  • 診療圏の人口は十分だったが、線路や幹線道路で分断され、実際には通いにくい場所だった。
  • 昼に働く人が多い街で、平日の昼休みや夕方の需要を診療時間に反映していなかった。
  • ビルの上の階で、通りから看板が見えにくかった。
  • 車で来る方が多い地域なのに、駐車場の確保を後回しにした。
  • 住民の年齢構成を確かめず、対象年代が少ない地域を選んでしまった。

クリニックの候補地を商圏カルテで確かめる

商圏カルテは、住所を入れるだけで、年齢構成・居住人口・昼間就業者数・到達圏人口・道路の面ごとの通行量・時間帯別の人の流れをPDFにまとめ、24時間以内にメールでお届けします。診療圏調査を補う資料として、候補地の比較にご活用いただけます。

はじめての1回は無料でフル版をお試しいただけます(1社1回まで・自動課金なし)。商圏人口の調べ方は商圏人口の調べ方でも解説しています。詳しくは商圏カルテのページをご覧ください。

この記事の調査を、住所を入れるだけで。

「商圏カルテ」は、調べたい住所を入れるだけで、その場所の商圏をまとめたPDFが24時間以内に届く商圏調査レポートです。現地調査も図面もいりません。

  • 半径500m・1kmの居住人口と昼間就業者数、昼夜間人口比
  • 徒歩・自転車・車の到達圏人口、前面道路の歩行者と車の通行量
  • 決済データで見る客層(年代・年収)と、お金の使われ方
  • 業態の向き不向き判定と、現地確認チェックリスト(全14ページ)

はじめての1回は無料です(フル版・1社1回)。2回目以降は1件3,980円(税込)。

商圏カルテのサンプル(京都タワー周辺)1ページ目
FAQよくある質問。

よくある質問。

クリニックの開業では、診療圏調査が一般に行われます。商圏調査は、それを補うものとして、昼間人口や通行量、時間帯の人の流れを確かめるのに役立ちます。どちらを使うかは、開業支援の専門家や金融機関とご相談ください。

商圏カルテは患者数を見積もるものではありません。人口・世帯・就業者・人の流れ・決済などの客観データをまとめた参考資料です。患者数の見積もりは、診療圏調査や専門家の助言を参考にしてください。

通行量は、クリニックの存在を知ってもらう機会に関係します。通りから看板が見えるか、どの面に入口を向けるかを決める材料になります。ただし来院の判断は人口構成や通いやすさにも左右されるため、あわせて確認してください。

診療圏調査の結果に加えて、年齢構成、昼間就業者数、到達圏の人口、時間帯の人の流れを比べると、候補地の違いが見えやすくなります。最終的な判断は、専門家の助言とあわせて行ってください。