商圏とは「客が来店する範囲」のこと
商圏とは、お店に客がやって来る地理的な範囲のことです。英語では「トレードエリア」とも呼ばれます。商圏が分かれば、どれくらいの人を相手に商売をするのかが見えてきます。
商圏は地図に円を描いて表すのが最も簡単です。たとえば「店から半径500m」「半径1km」のように決めます。ただし実際の人の動きは、道路・川・線路・坂道によって大きくゆがみます。そのため、徒歩や車で何分で着くかという到達圏で描く方法も広く使われています。
商圏は「お店が決めるもの」ではなく「客の行動で決まるもの」です。同じ場所でも、コンビニとホームセンターでは商圏の広さがまったく違います。
商圏を調べて評価する作業を、商圏調査や商圏分析と呼びます。出店前の候補地選び、創業計画書の売上根拠、既存店のチラシ配布範囲の見直しなど、使われる場面は幅広くあります。全体の流れは商圏調査とはで解説しています。
商圏の種類:一次商圏・二次商圏・三次商圏
商圏は、来店客がどれだけ集中しているかで段階に分けます。一般に、店に近く来店客の多くが住む範囲を一次商圏、その外側を二次商圏、さらに外側でたまに来る客の範囲を三次商圏と呼びます。
この区分は、業種を問わず使える考え方です。ただし範囲の広さは業種によって大きく違うため、他業種の数字をそのまま当てはめないよう注意が必要です。
区分の基準は「来店客の割合」で決める方法と、「距離・時間」で決める方法があります。出店前は来店客のデータがないため、距離や到達時間で仮に決めるのが一般的です。詳しくは一次商圏・二次商圏・三次商圏で解説しています。
| 区分 | 意味 | 徒歩中心の店の目安 |
|---|---|---|
| 一次商圏 | 来店客の大半が住む・働く中心の範囲 | 徒歩5〜10分(500m〜1km程度) |
| 二次商圏 | 一次商圏の外側。来店はあるが頻度が下がる | 自転車・車で10分前後 |
| 三次商圏 | さらに外側。たまに来る客の範囲 | 車で20〜30分、または広域から来る観光客など |
距離・時間は業界で広く使われる目安です。業種・立地・競合によって大きく変わります。
商圏の範囲は業種と交通手段で決まる
商圏の広さは、売るものの種類で大きく変わります。毎日買う日用品やコンビニの商品(最寄品)は、近い店で済ませるため商圏が狭くなります。家具や家電など比べて選ぶ商品(買回品)は、遠くても足を運ぶため商圏が広くなります。
交通手段も重要です。駅前の繁華街は徒歩客が中心なので、徒歩圏の人口と通行量が効きます。郊外のロードサイドは車客が中心なので、車で10〜20分圏の人口が効きます。範囲の決め方は商圏の範囲の決め方で詳しく解説しています。
地形や競合によっても商圏は変わります。とくに見落としやすいのが「心理的な壁」です。交通量の多い幹線道路や線路の向こう側は、距離が近くても人が渡ってこないことがあります。逆に、駅や大型商業施設の近くは、遠くから人が集まるため商圏が広がります。
- 商圏が狭い業種の例:コンビニ、ベーカリー、クリーニング、学習塾
- 中間の業種の例:スーパー、美容室、クリニック、カフェ
- 商圏が広い業種の例:家具店、ホームセンター、専門店、観光向けの店
- 商圏を狭める要因:川・線路・幹線道路・急な坂、近くの強い競合店、駐車場がない
- 商圏を広げる要因:駅・バス停に近い、大型商業施設や観光地の近く、代わりのない専門性
商圏の調べ方:見るべき4つの数字
商圏を調べるときは、まず次の4つの数字を確認します。人口だけでなく、昼間に働く人、通行する人、お金を使う人の顔ぶれまで見ると、判断の精度が上がります。
たとえば京都駅前(京都タワー周辺)の半径500mでは、居住人口が4,641人に対し、昼間就業者数は27,925人です。昼夜間人口比は6.02倍で、住む人より働く人・訪れる人が中心の商圏だと分かります。
- 商圏人口:範囲内に住む人の数(居住人口)と世帯数
- 昼間人口・就業者数:日中に範囲内で働く人の数。居住人口との比(昼夜間人口比)で商圏の性格が分かる
- 通行量:前面道路を通る歩行者(人/分)と自動車(台/分)
- 客層:決済データから見た、お金を使う人の年代・性別・年収
出典:総務省「国勢調査」「経済センサス」。数値は商圏カルテの実測サンプル(京都駅前・半径500m)。
商圏を数字で確かめるなら商圏カルテ
商圏の考え方が分かったら、実際の候補地で数字を確かめてみることをおすすめします。商圏カルテは、調べたい住所を入れるだけで、半径500m・1kmの人口、徒歩・自転車・車の到達圏人口、通行量、決済データから見た客層をまとめたPDFを24時間以内にメールでお届けします。
はじめての1回は無料でフル版(14ページ)をお試しいただけます。自動課金はありません。詳しくは商圏カルテをご覧ください。

