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商圏調査を無料で行う方法

商圏調査を無料で行う方法を解説します。e-Stat の国勢調査・経済センサスで商圏人口と就業者を調べる手順、自治体の町丁目別人口の使い方、通行量を自分で数えるコツ、地図での競合調査、無料の方法の限界と補い方まで紹介します。

結論

商圏調査を無料で行うには、①e-Stat で国勢調査・経済センサスを調べる、②自治体が公開する町丁目別の人口を使う、③現地で通行量を自分で数える、④地図で競合の位置を確かめる、の4つの方法があります。人口や就業者などの「量」は無料でかなり正確に分かります。一方、客層の支出や時間帯ごとの人の流れは無料では把握しにくいため、必要に応じて他の方法で補います。

執筆・監修:株式会社ターコイズ 商圏カルテ編集部|最終更新:2026.10.15

商圏調査を無料で行う4つの方法

商圏調査は、公的統計と現地観察を組み合わせれば、お金をかけずにかなりの部分を調べられます。国の統計は誰でも無料で使えるように公開されており、通行量は自分の足と時間で数えられるからです。

ただし、無料の方法にはそれぞれ得意・不得意があります。下の表で、何が分かり、どのくらい手間がかかるかを確認してから始めましょう。おすすめの順番は、統計で人口と就業者を見て候補地を絞り、残った場所だけ現地で通行量と競合を確かめる流れです。

無料でできる商圏調査の方法
方法分かること手間の目安注意点
e-Stat(国勢調査)居住人口、年齢構成、世帯構成、住居の種類慣れれば数時間調査時点から時間がたっている
e-Stat(経済センサス)事業所数、従業者数、業種の構成数時間居住人口とは別に集計される
自治体の町丁目別人口最新に近い人口と世帯数1時間程度公開の形式は自治体ごとに違う
現地での通行量計測前面道路の歩行者・車の数1回あたり数時間×複数回天気や行事で数字がぶれる
地図での競合確認同業の店の数と位置1〜2時間閉店・開店の反映が遅れることがある

出典:総務省「国勢調査」「経済センサス」、政府統計の総合窓口 e-Stat。

方法1:e-Stat の国勢調査で商圏人口を調べる

商圏人口は、政府統計の総合窓口 e-Stat で公開されている総務省「国勢調査」で、無料で調べられます。国勢調査は5年ごとに行われる全数調査で、町丁目や小地域の単位まで人口・年齢・世帯の数字があります。

e-Stat には、統計を地図の上で見られる「地図で見る統計(jSTAT MAP)」という機能もあります。候補地を中心に範囲を指定し、その中の人口などを集計できるため、半径500m・1kmの商圏人口を出すのに便利です。使える機能や手順は変わることがあるため、最新の案内は e-Stat のサイトで確認してください。

数表から自分で集計する場合は、候補地の周りの町丁目を地図で確認し、該当する町丁目の人口を足し合わせます。範囲の端にかかる町丁目をどう扱うかで数字が変わるため、ルールを決めて、どの候補地にも同じルールを使いましょう。くわしい手順は商圏人口の調べ方で解説しています。

方法2:経済センサスと自治体の統計で「働く人」と「最新の人口」を補う

住む人だけでなく働く人の数を知るには、総務省「経済センサス」を使います。事業所の数と従業者の数が地域ごとに分かるため、昼間にどれだけの人がその場所にいるかの目安になります。

オフィス街や駅前では、働く人が住む人を大きく上回ることがあります。京都駅前の半径500mでは、居住人口4,641人に対し昼間就業者数は27,925人でした。国勢調査の人口だけを見ていると、この約6倍の差に気づけません。

国勢調査は5年ごとのため、新しいマンションが建った地域などでは、実際の人口とずれていることがあります。多くの自治体は、住民基本台帳にもとづく町丁目別の人口と世帯数をホームページで公開しています。最新に近い数字で補正するのに役立ちます。公開の形式は自治体ごとに違い、表計算ソフトのファイルやPDFで毎月・毎年更新されていることが多いので、「〇〇市 町丁別人口」などで探してみてください。

方法3:現地で通行量を自分で数える

前面道路の通行量は、現地で自分で数えれば無料で分かります。統計では分からない「店の前を何人通るか」を知る、最も確かな方法です。

数え方の基本は、決まった時間だけ、決まった線を通った人をカウンターで数えることです。たとえば1回15分を、朝・昼・夕・夜の時間帯ごとに数え、1分あたりの人数に直して比べます。平日と休日で少なくとも1日ずつ行いましょう。手元のカウンターがなければ、スマートフォンのメモに「正」の字を書くだけでも十分です。数える時間は短くても、時間帯と曜日を変えて回数を重ねるほうが、場所の実態に近づきます。くわしい手順は通行量調査のやり方にまとめています。

  • 数える場所は、物件の入口の正面にする
  • 道路の両側を通る人を分けて数える(向かい側の歩道の人は入りにくい)
  • 雨の日、行事のある日は避けるか、記録に残す
  • 歩行者と自転車、車を分けて数える
  • 数えながら、年代や男女、荷物の様子などもメモする

方法4:地図と現地観察で競合を確かめる

競合の数と位置は、地図アプリで同業の店を検索し、現地で実際に確かめることで無料で調べられます。地図に載っている情報は、閉店や開店の反映が遅れることがあるため、現地確認が欠かせません。

見るべきポイントは、店の数だけではありません。価格帯、営業時間、混雑する時間帯、客の年代を観察すると、自分の店が入り込める余地が見えてきます。競合が多い場所は需要がある証拠でもあるため、数だけで良し悪しを決めないことが大切です。

調べた競合は、地図に印をつけて一覧にしておきます。店名の代わりに「A店」「B店」と記号を振り、業態、価格帯、席数や広さの印象、営業時間、混雑する時間を表にまとめると、後で候補地どうしを比べやすくなります。地域の事業所の数は経済センサスでも確認でき、業種ごとの店の多さを大まかにつかむのに使えます。進め方は競合調査のやり方でも紹介しています。

調べた数字の読み方:人口と就業者の「比率」を見る

無料で集めた数字は、人口や就業者の絶対数だけでなく、その比率で読むと場所の性格がはっきりします。特に役立つのが、昼間の就業者数を居住人口で割った昼夜間人口比です。

下の表は、商圏カルテで調べた3地点の半径500mの数字です。3地点とも昼夜間人口比が3倍を超えており、住む人より働く人・訪れる人が多い場所だと分かります。こうした場所では、住民向けの商売よりも、通勤者や来街者に向けた商売が中心になります。

反対に、比率が1倍を下回る住宅地では、夜と休日に人が多くなります。自分で集めた人口と就業者の数からこの比率を計算しておくと、候補地ごとに「誰をお客さまとして想定すべきか」を整理できます。

半径500mの居住人口と昼間就業者数(商圏カルテ実測サンプル)
地点居住人口昼間就業者数昼夜間人口比
京都駅前(京都タワー周辺)4,641人27,925人6.02倍
大阪・梅田3,318人101,938人30.72倍
神戸・三宮8,539人58,142人6.81倍

出典:商圏カルテ(総務省「国勢調査」「経済センサス」をもとに集計)。昼夜間人口比=昼間就業者数÷居住人口。

無料の方法の限界と、補い方

無料の方法の弱点は、手間がかかることと、客層の支出や時間帯ごとの人の流れが分かりにくいことです。人口などの「量」は公的統計で十分に分かりますが、「誰が何にいくら使っているか」は無料ではほとんど手に入りません。

たとえば京都駅前では、住民のうち70代以上が17.3%いる一方、飲食の決済者のうち70代以上は6.6%でした。住民の年齢構成は国勢調査で無料で分かりますが、実際に店でお金を使っている人の構成は、決済データがないと分かりません。住民の構成だけで客層を想定すると、ずれが生じることがあります。

また、自分で数えた通行量は、その日・その時間の1回分の数字です。曜日や季節による変動まで押さえるには、何度も現地に通う必要があります。無料の方法は「手間を払ってお金を節約する」方法だと理解しておきましょう。

無料の方法で分かること・分かりにくいこと
項目無料で分かるか補う方法
居住人口・年齢構成分かる—
就業者数分かる—
到達圏(徒歩・車で何分)の人口手間がかかる到達圏を集計できるサービス
前面道路の通行量数えれば分かる(数回分)人流データで曜日・時間帯を補う
決済者の年代・年収・居住地分かりにくいクレジットカードなどの決済データ
業種別の支出の構成分かりにくい決済データと全国平均の比較

人流は通信会社などのビッグデータによる推計値、支出はクレジットカードなどの決済データを使うのが一般的です。

はじめての1回は無料で、商圏カルテを試す

無料の方法で調べきれない部分は、レポート型のサービスで補うと効率的です。商圏カルテは、住所を入れるだけで、商圏人口と到達圏、前面道路の通行量、時間帯、決済データによる客層までを14ページのPDFにまとめ、24時間以内にメールでお届けします。

はじめての1回は無料です(フル版・1社1回まで・自動課金なし)。公的統計で自分で調べた数字と見比べる使い方もできます。費用をかける場合の考え方は商圏調査の費用相場をご覧ください。なお、商圏カルテは客観的な参考資料であり、売上や来店を保証するものではありません。

この記事の調査を、住所を入れるだけで。

「商圏カルテ」は、調べたい住所を入れるだけで、その場所の商圏をまとめたPDFが24時間以内に届く商圏調査レポートです。現地調査も図面もいりません。

  • 半径500m・1kmの居住人口と昼間就業者数、昼夜間人口比
  • 徒歩・自転車・車の到達圏人口、前面道路の歩行者と車の通行量
  • 決済データで見る客層(年代・年収)と、お金の使われ方
  • 業態の向き不向き判定と、現地確認チェックリスト(全14ページ)

はじめての1回は無料です(フル版・1社1回)。2回目以降は1件3,980円(税込)。

商圏カルテのサンプル(京都タワー周辺)1ページ目
FAQよくある質問。

よくある質問。

できます。総務省「国勢調査」「経済センサス」は e-Stat で無料で使え、通行量は現地で自分で数えられます。ただし集計に時間がかかり、客層の支出などは無料では分かりにくい点に注意してください。

e-Stat の国勢調査の小地域データを使うか、「地図で見る統計(jSTAT MAP)」で範囲を指定して集計します。最新に近い数字は、自治体が公開する町丁目別人口で補えます。

物件の入口の正面で、1回15分など時間を決めて数え、1分あたりの人数に直して比べます。平日と休日、朝・昼・夕・夜を分け、天気や行事も記録しておきます。

無料の方法でも人口や通行量の大枠はつかめます。ただし客層の支出や時間帯ごとの流れは分かりにくいため、重要な判断の前には他のデータや専門家の意見も参考にすることをおすすめします。