美容室の商圏調査は「通い続けられる範囲」で考える
美容室・サロンは、一度来たお客様に定期的に通ってもらう業態です。そのため商圏は「無理なく通い続けられる範囲」で考えます。
住宅地の美容室なら、徒歩・自転車10〜15分程度が目安です。駅前の美容室は、通勤・通学で駅を使う人も商圏に入るため、駅の利用者が住む範囲まで広がります。指名や技術で選ばれる店は、電車で30分以上かけて通うお客様もいます。範囲の決め方は商圏の範囲の決め方で解説しています。
到達圏で見ると、範囲による人口の差は大きくなります。京都タワー周辺では、徒歩10分圏10,532人に対し、自転車10分圏は139,030人でした。自転車で通うお客様が多い地域なら、自転車圏まで含めて客層を見ることが大切です。
| 立地タイプ | 主な客層 | 重視する指標 | 商圏の目安(経験則) |
|---|---|---|---|
| 住宅地密着型 | 近隣の住民、子育て世帯、シニア | 居住人口、年齢構成、世帯構成 | 徒歩・自転車10〜15分 |
| 駅前型 | 駅を使う通勤・通学の人 | 昼間就業者数、平日夕方・休日の人の流れ | 駅の利用者が住む範囲 |
| 都心・繁華街型 | 働く人、来街者 | 昼夜間人口比、決済者の年代・年収 | 電車で20〜30分以上も |
| 郊外ロードサイド型 | 車で移動する家族 | 自動車10・20分圏の人口、駐車場 | 車10〜20分程度 |
目安は一般的な経験則です。価格帯・メニュー・指名の多さで変わります。ネイル・エステ・まつ毛サロンなども考え方は同じです。
美容室の客層:女性比率・年代・世帯構成・年収
美容室の商圏調査で最も大切なのは、ターゲット層の厚みです。商圏カルテの「住んでいる人」ページで、年齢構成・男女比・世帯構成・住居を確かめます。
京都タワー周辺の例では、女性比率54.8%、1人世帯73.3%、借家74.2%でした。単身の賃貸住まいが多い街は、住民の入れ替わりが比較的多いと考えられます。新規客を取りやすい反面、引っ越しによる失客も見込んでおく必要があります。
年収も価格帯を決める手がかりです。商圏カルテの「年代・年収の全国平均との比較」では、決済者の年代・年収の構成を全国平均と比べられます。京都タワー周辺では20代の決済者が16.3%(全国平均9.4%)、年収1,000万円以上が10.9%(全国平均7.5%)でした。
年代構成は、メニューの組み立てにも関わります。若い世代が多い街ではカラーやトレンドのスタイル、シニアが多い街では白髪染めや通いやすい予約枠、といった仮説を立てられます。数字をもとにコンセプトを決めると、開業後のぶれが少なくなります。
美容室で見る時間帯と、業態判定の読み方
美容室の予約は、平日の昼・夕方と、土日に集中しやすいです。商圏カルテの「時間帯」ページで、平日・休日 × 昼・夜の人の流れを比べ、どの時間帯に人がいる街かを確かめます。
業態の向き不向き判定(◎○△×)も参考にします。京都駅前の判定では、健康美容は×でした。この地点は半径500mの居住人口4,641人に対し昼間就業者数が27,925人と多く、決済者の居住地も京都府20.7%、東京都19.4%と、来街者が中心の広域型です。通い続けるお客様を地元でつくりにくい立地だと読めます。
判定が×でも、出店できないという意味ではありません。判定の理由を「この立地の読み方」ページで確かめ、自分の業態の戦略と合うかを判断してください。商圏タイプの考え方は商圏タイプで解説しています。
休日の人の流れも確認します。京都タワー周辺の南面では、歩行者が平日10.40人/分、休日12.55人/分でした。休日に人が増える立地なら、土日の予約枠を厚くし、平日は住民向けの時間帯を中心にする、といった組み立てが考えられます。
平日昼に人が少ない就業者型の街では、平日の夕方以降と休日に予約が集中しやすくなります。スタッフのシフトや営業時間は、この時間帯の偏りに合わせて決めます。
美容室の立地チェック項目と目安
美容室の立地は、客層の厚み・通いやすさ・競合の3つで判断します。表の目安は経験則で、合否の基準ではありません。
現地では、看板の見え方と入りやすさも確かめます。空中階の場合は、通行の多い面から看板が見えるか、階段やエレベーターの場所が分かりやすいかが大切です。
| チェック項目 | 商圏カルテで見るページ | 目安(経験則) |
|---|---|---|
| ターゲット層の人数 | 住んでいる人、到達圏 | 狙う性別・年代が商圏内に十分いること |
| 住民型か就業者型か | 商圏の形(昼夜間人口比) | 0.8倍未満なら居住者型、1.5倍以上なら就業者型・来街者型 |
| 価格帯の妥当性 | 年代・年収の全国平均との比較 | 決済者の年収構成と価格帯がかけ離れないこと |
| 通いやすさ | 到達圏、現地確認チェックリスト | 徒歩・自転車10〜15分圏に住宅が多いこと |
| 業態の相性 | 業態の向き不向き判定 | 健康美容の判定と、その理由を確認する |
| 競合 | 現地で同業の店舗数を確認 | 徒歩圏の美容室の数と価格帯を地図に落とす |
昼夜間人口比の区分は商圏カルテでの区分です。目安は一般的な経験則です。
美容室の立地選びでよくある失敗パターン
美容室の失敗は「人通りが多い=お客様が多い」と考えてしまうことから起きやすいです。代表的なパターンを挙げます。
失敗を避けるには、狙う客層を先に一文で決め、その客層が商圏にどれだけいるかを数字で確かめることです。物件の印象より先に、客層の数字を見てください。
- 人通りの多い繁華街に出したが、通る人の多くが観光客や出張客で、通い続けるお客様が増えなかった。
- 住民の数は多いが、ターゲットの年代がほとんど住んでいなかった。
- 価格帯が、商圏の年収構成に対して高すぎた(または低すぎた)。
- 単身の賃貸住まいが多い街で、引っ越しによる失客を見込んでいなかった。
- 徒歩圏の同業の数と価格帯を調べず、似たコンセプトの店と競合した。
美容室・サロンの候補地を商圏カルテで確かめる
商圏カルテは、住所を入れるだけで、年齢構成・男女比・世帯構成、決済者の年代・年収、平日・休日の人の流れ、健康美容を含む業態の向き不向き判定をPDFにまとめ、24時間以内にメールでお届けします。
はじめての1回は無料でフル版をお試しいただけます(1社1回まで・自動課金なし)。物件を決める前に、ターゲット層が商圏にいるかを数字で確かめてください。詳しくは商圏カルテのページをご覧ください。

