整骨院・整体院の商圏調査は「通い続けられる範囲」で決める
整骨院・整体院の商圏は、患者さんが無理なく通い続けられる範囲で考えます。一度きりではなく、続けて通ってもらうことが前提の業態だからです。
住宅地なら徒歩・自転車10〜15分程度、郊外なら車10〜15分程度が目安です。駅前の院は、通勤・通学の途中に寄る人も商圏に入ります。円で区切るより、到達圏で人口を見るほうが実態に近くなります。
到達圏で見ると、範囲の違いがはっきりします。京都タワー周辺では、徒歩5分圏2,429人、徒歩10分圏10,532人、自転車10分圏139,030人でした。徒歩だけで通う院と、自転車でも通う院とでは、商圏の母数が大きく違います。
| 立地タイプ | 主な客層 | 重視する指標 | 商圏の目安(経験則) |
|---|---|---|---|
| 住宅地密着型 | シニア、子育て世帯、部活の学生 | 居住人口、年齢構成 | 徒歩・自転車10〜15分 |
| 駅前・オフィス街型 | 仕事帰りの就業者 | 昼間就業者数、平日夕方〜夜の人の流れ | 駅から徒歩5〜10分 |
| 郊外ロードサイド型 | 車で通う住民 | 自動車10・20分圏の人口、駐車場 | 車10〜15分程度 |
| 商業施設内 | 買い物客 | 休日の人の流れ、施設の集客 | 施設の商圏に準じる |
目安は一般的な経験則です。施術内容・予約制かどうか・駐車場の有無で変わります。
整骨院・整体院の客層:住民の年齢構成と就業者
整骨院・整体院の客層は、立地によって大きく変わります。住宅地ではシニアや子育て世帯、オフィス街では仕事帰りの就業者が中心になりやすいです。
商圏カルテの「住んでいる人」ページでは、年齢構成・男女比・世帯構成を確かめられます。「商圏の形」ページでは、半径500m・1kmの居住人口と昼間就業者数を比べられます。昼夜間人口比が0.8倍未満なら居住者型、1.5倍以上なら就業者型・来街者型です(商圏カルテでの区分)。
京都タワー周辺の例では、住民の70代以上が17.3%いました。一方、半径500mの昼間就業者数は27,925人と居住人口の約6倍です。シニア住民向けと就業者向けのどちらに力を入れるかで、営業時間や施術メニューの考え方が変わります。
世帯構成と住居も確認します。京都タワー周辺は1人世帯73.3%、借家74.2%でした。単身者の多い街では、仕事帰りに一人で通う方を想定した予約枠が合いやすいと考えられます。家族世帯が多い街なら、子どものスポーツや家族での来院も視野に入ります。
整骨院・整体院で見る時間帯と業態判定
整骨院・整体院の来院は、平日の夕方〜夜と土曜に集中しやすいと言われます。就業者向けなら平日夜、住民向けなら平日の午前や休日の人の流れが手がかりになります。
商圏カルテの「時間帯」ページでは、平日・休日 × 昼・夜の人の流れを比べられます。夜間の通行比率は京都駅前30.5%、大阪・梅田36.7%、神戸・三宮34.2%でした。
業態の向き不向き判定(◎○△×)の「健康美容」も確認します。京都駅前の判定は×でした。住民が少なく来街者中心の広域型であることが背景にあると読めます。判定の理由は「この立地の読み方」ページで確かめてください。
就業者向けなら平日夜の受付を厚くし、住民向けなら午前と土曜を厚くする、といった体制を考えられます。人の流れの数字は、受付時間を決めるときの根拠にもなります。
休日の人の流れも見ます。京都タワー周辺の南面では、歩行者が平日10.40人/分、休日12.55人/分でした。休日に人が増える立地なら、土日の受付を厚くすることも検討できます。
整骨院・整体院の立地チェック項目と目安
整骨院・整体院の立地は、狙う客層の人数・通いやすさ・見つけやすさの3つで判断します。表の目安は経験則で、合否の基準ではありません。
現地確認も欠かせません。入口の段差、手すり、待合スペースの広さ、自転車を停める場所などは、数字だけでは分かりません。商圏カルテの現地確認チェックリストを、内見のときに使ってください。
開業資金の相談で立地を説明するときも、この表の項目がそのまま根拠になります。人口・人の流れ・競合を数字で示せると、事業計画の説得力が増します。
| チェック項目 | 商圏カルテで見るページ | 目安(経験則) |
|---|---|---|
| 狙う年代の人数 | 住んでいる人、到達圏 | 対象の年代が徒歩・自転車10〜15分圏に十分いること |
| 住民型か就業者型か | 商圏の形 | 昼夜間人口比で営業時間の重心を決める |
| 来院しやすい時間帯 | 時間帯 | 平日夕方・休日に人がいること |
| 見つけやすさ | 前面道路の通行量 | 通行の多い面に看板と入口を向ける |
| 通いやすさ | 現地確認チェックリスト | 段差・階段・駐車場・駐輪場を確認する |
| 競合 | 現地で同業の数を確認 | 徒歩圏の整骨院・整体院・リラクゼーション店を地図に落とす |
目安は一般的な経験則です。保険の取り扱いや広告表示などの制度面は、関係団体や専門家にご確認ください。
整骨院・整体院の立地選びでよくある失敗パターン
失敗の多くは「狙う客層」と「立地の客層」のずれから起きます。代表的なパターンを挙げます。
失敗を避けるには、狙う客層を先に決め、その客層がいる時間帯に院を開けられる立地かを確かめることです。人口の多さより、客層と時間帯の合い方を重視してください。
- シニア向けの院なのに、単身の若い世代が多い街を選んだ。
- 駅前の就業者向けにしたが、平日夜の人の流れが少なかった。
- 2階以上の物件で、階段の上り下りがつらい患者さんが通いにくかった。
- 郊外で駐車場を確保できず、車で来る住民を取り込めなかった。
- 近くの整骨院・整体院やリラクゼーション店の数を数えずに出店した。
整骨院・整体院の候補地を商圏カルテで確かめる
商圏カルテは、住所を入れるだけで、年齢構成、居住人口と昼間就業者数、到達圏人口、平日・休日の時間帯別の人の流れ、健康美容を含む業態判定をPDFにまとめ、24時間以内にメールでお届けします。
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