エリアマーケティングとは「地域に合わせる」マーケティング
エリアマーケティングとは、地域ごとの違いに合わせて、売り方を変えるマーケティングの考え方です。同じチェーン店でも、オフィス街の店と住宅地の店では、来る客も、売れる商品も、混む時間帯も違います。その違いをデータでつかみ、店ごと・地域ごとに打ち手を変えるのがエリアマーケティングです。
目的は大きく2つあります。1つは、地域の需要に合った品ぞろえやサービスで売上を伸ばすこと。もう1つは、チラシや広告を見込みのある地域に集中させ、無駄な費用を減らすことです。
エリアマーケティングは大手チェーンだけのものではありません。1店舗の個人店でも、店の周りの年代構成や世帯構成を知るだけで、チラシを配る範囲やメニューの組み立てを見直せます。むしろ予算が限られる小さな店ほど、狙いを絞る効果は大きくなります。
エリアマーケティングの主な手法
エリアマーケティングの手法は、どこに出すか(出店)、誰に届けるか(販促)、何を売るか(品ぞろえ・価格)の3つに分けると整理しやすくなります。いずれも、出発点は商圏の把握です。まず地域の姿を数字でつかみ、そのうえで打ち手を選びます。
| 手法 | 具体的な打ち手 | 主に使うデータ |
|---|---|---|
| 出店計画 | 候補地の選定、出店の優先順位づけ、既存店とのすみ分け | 商圏人口、昼夜間人口比、通行量、競合 |
| 販促・広告 | チラシの配布範囲、ポスティング、地域を絞ったWeb広告 | 到達圏、世帯構成、年代構成 |
| 品ぞろえ・メニュー | 地域の客層に合わせた商品・価格帯の調整 | 決済データ(年代・性別・年収) |
| 営業時間・人員配置 | 平日・休日、昼・夜の客数に合わせた調整 | 時間帯別の人流、通行量 |
使うデータ:住む人・働く人・使う人
エリアマーケティングで使うデータは、「住む人」「働く人・通る人」「お金を使う人」の3つに分けられます。住む人は国勢調査、働く人は経済センサス、通る人は通信会社などのビッグデータによる人流の推計値、お金を使う人はクレジットカードなどの決済データでつかみます。
とくに大切なのは、住む人と使う人を分けて見ることです。京都駅前(京都タワー周辺)の半径500mでは、住民のうち70代以上が17.3%いる一方、飲食の決済者のうち70代以上は6.6%でした。住民の顔ぶれだけで品ぞろえを決めると、実際の客と合わなくなります。データの読み方は決済データで分かる客層で詳しく解説しています。
出典:総務省「国勢調査」「経済センサス」。人流は通信会社などのビッグデータによる推計値、決済はクレジットカードなどの決済データ。
活用例:データから打ち手を考える
京都駅前(京都タワー周辺)を例に、データから打ち手を考えてみます。決済者に占める20代は16.3%で全国平均の9.4%を上回り、年収1,000万円以上も10.9%と全国平均の7.5%より多い地域です。住民は1人世帯が73.3%、女性比率が54.8%でした。
同じ飲食でも、業態によって客層は大きく違います。寿司は男性66%・平均50.0歳・年収877万円、カフェ・喫茶店は女性62%・平均47.4歳・年収521万円、居酒屋・バーは男性69%・平均45.2歳・年収588万円でした。カフェなら女性向けのメニューや席づくり、寿司なら高単価のコースといったように、業態ごとに打ち手を変えられます。同じ地域でも、業態が変われば狙うべき客がまったく違うということです。
- 20代・高年収層が多い → 価格より体験や品質を打ち出す
- 1人世帯が多い → 少量・1人用のメニュー、テイクアウトを充実させる
- 借家が多く住民の入れ替わりが多い → 新しく越してきた人向けの案内を定期的に出す
- 決済者の居住地が広域(京都府20.7%、東京都19.4%) → 地元向けチラシより、来訪者向けの発信を重視する
数値は商圏カルテの実測サンプル(京都駅前)。
エリアマーケティングの第一歩に
エリアマーケティングは、まず自分の店の周りを数字で知ることから始まります。大がかりな調査をしなくても、1地点ずつ商圏の数字をそろえるだけで、打ち手のヒントは十分に得られます。進め方は商圏分析のやり方も参考にしてください。
商圏カルテは、住所を入れるだけで、人口・年代・世帯構成、時間帯別の通行量、業種別の決済者の年代・性別・年収、飲食の業態別の客層までPDFにまとめ、24時間以内にお届けします。はじめての1回は無料です。商圏カルテをご覧ください。

